住友ゴムのグローバルブランド「ダンロップ」、スーパーGTタイヤ競争最終年にかける思いとは?

2025年12月から、グローバルで「ダンロップ」ブランドが住友ゴムの「コミュニケーションブランド」に。

住友ゴムは1909年創業の伝統企業で、タイヤ事業、スポーツ用品事業、産業用ゴム製品事業を展開。

住友ゴムの主要事業:

タイヤ事業では、イギリス「DUNLOP」の製造事業を始め、1983年に事業を買収し、少しずつダンロップブランドを自社ブランドにしていった。1999年の住友ゴムと米グッドイヤーの合弁事業で、アジア太平洋地域では住友ゴムが、欧米ではグッドイヤーがダンロップブランドを活用するという共存時代があり、モータースポーツ活動でも日本ではダンロップブランドが使われ、ニュルブルクリンク24時間レースのような欧米のレースでは「FALKEN(ファルケン)」ブランド(FALKENも住友ゴムが2003年に買収したオーツタイヤのブランド)を利用。

この複雑なブランド体制は、2025年12月に終止符が打たれる。昨年発表された、ダンロップブランドがグローバルに住友ゴムの所有となる合意に基づき、住友ゴムはダンロップをグローバルに「コミュニケーションブランド」にしていく方針を明らかにしている。

モータースポーツにも変化が起きている。ニュルブルクリンク24時間レースで、住友ゴムは1台を「DUNLOOP Porsche 911 GT3 R」、もう1台を「FALKEN Porsche 911 GT3 R」として参戦。今後、グローバルのモータースポーツ活動が盛んになり、ファルケンブランドからダンロップに変わるだろう。

日本では元々ダンロップブランドなので大きな変化はなく、スーパーGTを中心に、FIA-F4選手権、全日本ラリー選手権、GR86/BRZ CUPなど幅広いレースでタイヤを供給し、カートレースも支えている。

GT500に参戦する64号車 Modulo HRC PRELUDE-GT(大草りき/イゴール・オオムラ・フラガ組、DL)。

ダンロップがサポートしているGT300マシン:
11: GAINER TANAX Z (富田竜一郎/大木一輝)
60: Syntium LMcorsa LC500 GT (吉本大樹/河野駿佑)
61: SUBARU BRZ R&D SPORT (井口卓人/山内英輝)
777: D’station Vantage GT3 (藤井誠暢/チャーリー・ファグ)

住友ゴム工業株式会社 タイヤ事業本部 モータースポーツ部 モータースポーツ開発2グループ課長 菅野展寛氏(GT500担当):

シーズン開幕から、第2戦富士では予選で一発の性能をみせることはできたと考えている。この結果はホンダ勢の中ではトップだった。ただ、開幕戦と第2戦の決勝レースを通してみると、ロングランの性能にはまだ課題があり、今回の富士ではそこも考慮して開発したタイヤを投入している。

住友ゴム工業株式会社 タイヤ事業本部 モータースポーツ部 モータースポーツ開発1グループ 課長代理 久保直也氏(GT300担当):

GT300に関しては、今シーズン4チームにタイヤを供給しており、777号車は開幕戦でポールtoウィンできた。その流れを受け、第2戦富士でもシングル7位入賞。結果が出ているが、他のメーカーも実力があり、成績が伴っていないチームもサポートしていく。

61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)は第2戦富士でポールポジションを獲得したが、結果につながらなかった。タイヤにも課題があり、適切な対応を早急に進めている。

GT300クラスに参戦する60号車 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑組)。

今シーズンのタイヤで新しくなった点は、GT500の車両が昨年までのシビックTYPE R-GTからプレリュードGTに変わったこと。車両が変わると、タイヤの使われ方や負荷が変わるため、それに合わせて性能を変える必要がある。

GT300の方は、GTA-GT300とFIA-GT300を共通でやるのが難しく、車両特性が違うので、各チームのマシンに最適なタイヤを用意している。

レース活動から市販タイヤへのフィードバックは、ゴムの技術や構造の技術が磨かれていく過程で実現される。技術は直接市販タイヤに展開される場合もあるが、他のレースタイヤやワンメイクシリーズのタイヤに導入され、その後市販タイヤとして採用されることもある。また、人材のローテーションも重要で、モータースポーツ部門と市販タイヤ開発部門を行き来することで、技術が共有される。

その他、シミュレーションを利用したタイヤ開発が進んでおり、特にモータースポーツ用のタイヤ開発で活用されている。以前はテスト用のタイヤを実際に走らせて性能を決めていたが、今はテストの機会も限られているため、コンピューターの中でタイヤを作り、シミュレーションで走らせて性能を見積もり、テストに持ち込むことが一般的になっている。

サステナブルな再生素材を利用したタイヤなども重要な取り組みであり、技術が市販タイヤにフィードバックされている。

モータースポーツという厳しい環境で技術は大きく進歩し、その恩恵により市販タイヤの性能も進化している。

今シーズンの目標:
GT500: シリーズチャンピオンを狙う。まずは目先の1勝を目指したい。
GT300: シリーズチャンピオンを目標に、マルチメイク最終年でしっかり結果を出したい。

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